満点の夜空とダイアモンドの星
「さようなら。ロイ」
〜満天の夜空とダイアモンドの星〜
ロイは、仕事が終わっていつものように、家に帰るべく小高い丘を登っていた。ロイは、そこに誰かいるのにきずいた。
「・・・何やってるんですか?」
「星・・星を見てるの。」
「・・・なるほど・・・」
ロイは、空を見上げた。見上げた空には、光り輝く満点の星。
「一緒に見ててもいいかな?」
「どうぞ。」
―――――――――――――――――――・・・・・・・・・
「涼しくなってきた。」
肌寒い風にきずいたロイはそう呟く。
「・・・そろそろ帰ろ・・・」
隣で星を見ていた人もそれにきずき呟く。
ロイは、その人に手を差し出した。
「私は、ロイ・マスタング。」
その人は立ち上がると、ロイの手を握り返した。
「私は、よ。」
その時、隠れていた月が、出てお互いの顔が見えた。
は、ロイより、ずっと小柄で、ロイに笑顔を向けていた。
その笑顔にロイはドキリとした。
それから、ロイは仕事が終わるといつもこの丘で星を見た。隣には。
「ロイさんは、どの星が好きなの?」
「え・・・?」
天文学にあまり詳しくないロイは、返事に困る。
「私が、好きな星は、ニュー・ケテイって星。「人の痛みを感じる心」その星の星言葉よ。」
「そうか・・・・・それが、理由でここに?」
「えぇ。ロイさんは?」
「・・・・君に会うために。」
「え?!」
それから、二人は長い間夜を丘で一緒に過ごした。
ロイと、は、恋をした。
そんな、ある日・・・・・
「さようなら。ロイ。」
は、いきなり別れを切り出した。
「なぜ?!」
「実はね。私、病気をしてて、後5ヶ月の命だって言われてたの。それで、夜はこうして、星を眺めに来ていたの。・・・ロイは、人間って死んだ後どこへいくと思う?」
「・・・分らない。」
「私はね、死んだ後、星になると思うの。だから、この星たちは死んだ人達が、この世に残した、大切な人を見守ってるんじゃないかな・・・・
・・・いつまでも、一緒にいたかった・・・・・・」
「・・・・・っ・・・・」
衝撃的な、告白にロイは息を呑み、涙を必死でこらえた。
「・・・そうか。では、これが最後になるな・・・・」
最初で最後の、キス・・・・
「っ・・・・ロイ・・・っ!!」
「 これ・・・・」
「?」
は、包みを開けた。
そこには、星の如く光り輝くダイアモンド。
「ロイ?!」
「。この宝石の石言葉知ってるか?石言葉は、永遠の絆・・・」
「・・・・・っ・・ロイっ!!」
「ずっと、ずっと一緒だ。いつまでたっても、この気持ち忘れない!たとえ、私の前から君が居なくなっても!!」
・・・・・キラリ・・・・・・
出会った時と同じ、光り輝く満点の星の夜。
夜空に、キラリ流れ星。
は、その星とともに、消えた。
だが、決して、消えない、二人で見た、満天の夜空・・・・・
星の如く輝くダイアモンド・・・
春さんへ
2作目の投稿どうも有難うございます!
ヒューズのお話も泣けましたが、こちらも…とても悲しいお話ですね;;
残されたロイは辛いと思いますが、さんはとても幸せだったのではないでしょうか。
本当に有難うございました★
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